●ビールではないのですが、2Lのペットボトルから、いかに速く水をだすか?そんな問題に挑戦してみました。実はこの計算がワールプールタンクのシミュレーションへとつながっています。まず実験。Hirax(http://www.hirax.net/)の実験結果によると、以下のとおりでした。
1位 上に穴をあける(6秒)
2位 回転トルネード(16秒)
3位 垂直(27秒)
4位 傾ける(29秒)
●さっそくOpenFOAMをつかって計算してみよう。計算は自由表面ソルバーであるinterDymFoamを使います。ただし回転トルネードだけはちょっと工夫が必要でした。dynamicMeshの機能で回転が考慮できるはずですがうまくいかなかったので、プログラムを修正しています。回転方向の加速度が時間で変化するように工夫しました。計算結果は以下のとおりでした。3位と4位が実験とは逆転しているけど、トルネードはいい感じに計算できたので満足です。
1位 上に穴をあける(1.7秒)
2位 回転トルネード(6秒)
3位 傾ける(9秒)
4位 垂直(13秒)
●トルネードについてもう少し詳しく見てみよう。トルネードの回転加速度を0.5G(地球上の重力の0.5倍の大きさ)から3G(地球の重力の3倍)まで変えて計算したところ、0.5Gと1Gでは差がみられなかったけど、2G以上だと効果があるようです。
回転周期(1秒間に何回転させるか)について見てみましょう。周期1(1秒回に1回転)と周期0.5(1秒間に1回転)では、ほとんど同じ結果でした。速く廻してもあまり効果はないようです。もちろん1秒間に10回とか廻せば違ってくるだろうけど、人間業ではないのでそこはでは計算しなくてもいいでしょう。
以上の計算から、トルネードで効率よく水を排出するには、1秒に1回転程度の速さで、グルングルンと大きく回転させるのが効率的と予想されます。
●気になる点:垂直と傾けた時の傾向が、実験と計算で異なるのはどうしてだろう。層流ではなく、乱流で計算しないといけないのかな?また暇なときに考えて見ます。
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