interFoam のみぞみぞする変な動き(Spurious Current)の抑制には https://www.slideshare.net/takuyayamamoto1800/openfoaminterfoam によると
① 時間刻み(タイムステップ)を細かくとる
② スムーズ化したVOF値(alpha)から曲率等を計算する
③ Level Set 法とVOF法を組み合わせたハイブリッド法で計算する
とあります。今回はみぞみぞを定量評価し、どれが一番みぞみぞを抑制できるかを調べてみます。
みぞみぞ定量評価方法
図はメッシュ幅を変えて計算した結果のいて、みぞみぞの最大速度をピックアップして時間変化を調べたものです。計算は1 msまでやっていますが後半の500µs~1 msでの平均値を計算します。別に全体(0s~1s)を平均してもよかったのですが、なぜか後半だけを平均しています。
得られた結果を棒グラフで表すとこうなります。値が大きいほどみぞみぞが大きい、つまりSpuriousCurrentが大きいことを示しています。これを指標にしてみぞみぞの抑制方法を検討しています。
いろいろな条件でみぞみぞを比較した結果が次のグラフです。
左から順番に、①interFoamのデフォルト条件、②は①の計算条件でタイムステップだけ小さく(1e-8以下)したもの、③interFoamでラプラスフィルタ(kva)を2回かけたもの、④は③の条件でさらにタイムステップを小さく(1e-8以下)にしたもの、⑤はラプラスフィルタ(kva)を4回かけたもの、⑥は⑤の条件でさらにタイムステップを小さく(1e-8以下)にしたものです。ラプラスフィルタをかけてさらにタイプステップを小さくするとみぞみぞ(SpuriousCurrent)が抑制されることがわかります。
⑦はsCLS-VOFを使って計算した結果、⑧は⑦の計算条件でタイムステップだけを小さい(1e-8以下)にしたものです。意外にもsCLS-VOFはみぞみぞが抑えられているように見えますが、速度は大きいようです。自由表面は安定していますが気体の速度は抑制されていないのでしょうか?さらに⑧ではみぞみぞが悪化しています。ちょっと変ですね。これは計算条件が正しく設定されていないせいかもしれません。要検討です。 ⑨は表面張力の計算に密度を考慮した(DensityScaled)モデルを使ったものです。みぞみぞが半分くらいになっているので効果はありそうです。
interFOAMでラプラスフィルタをかけて表面を滑らかにして、さらにタイムステップを十分に小さくすると効果がありそうです。ただしラプラスフィルタをかけすぎると自由表面の空間的な高周波情報が失われるので、程度問題ですね。今回のようにスムーズな界面の問題の場合には効果がありそうです。
結論! SpuriousCurrentを抑制するには・・・
ラプラスフィルタを4回ほどかけて、タイムステップを十分に小さくする!
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