ビールの泡のシミュレーションモデル2-オイラー法-

 注意:今回もかなりマニアックです。


 前の記事でDEMによる13万個の泡のシミュレーションを紹介しました。


しかし実際にはこの数倍の泡がグラスの中に存在しているようです。13万個で1週間、その数倍だと1か月は必要そうです。さすがにそれはちょっとやりたくない・・・・。

 粒子挙動を計算するには個々の粒子挙動を計算する方法以外に、粒子密度をスカラー関数として移流を計算する方法があります。これなら粒子が増えても計算時間は変わりません。

これをオイラー法と呼びます。

OpenFOAMにはtwoPhaseEuler と multiPhaseEulerがあります。ビールの泡を計算するには空気、ビール、気泡の3つの相を考える必要があるので、multiPhaseEulerを使いました。ギネスビールなのでビールは茶色、泡は白、空気も白で表現しています。グラスの1/16の領域を計算していますが、オイラー法でもかなり実際の現象に近い結果が得られていると思います。


DPM(粒子法)とEulerを比較した動画を紹介します。計算手法は全く異なりますが、どちらもギネスカスケードを再現しているし、両者は似ています。これなら粒子がいくら増えても計算時間は変わりません。今回の計算ではDEMに比べて計算にかかる時間は半分程度になりました。

ギネスカスケードの実際の動画はこちらです。

麦酒物理研究所

麦酒物理研究所 ーBeer Physics Reserch Center- フリーのシミュレーションツール(OpenFOAM)をつかっていろいろと解析してみます。初めてのホームページ作成なので、なかなかはかどりませんが、気長に更新していきます。勘違い、間違いがあるかもしれません。ご意見、コメント歓迎します。

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